Godotでゲームを配布形式にエクスポート!初心者向け実践ガイド

2024年11月24日

はじめに

前回で簡単なキー入力による移動と、アニメーションができました。今回は、いきなり、配布形式への出力、エクスポートをやってみましょう。

エクスポートについて説明画像

ゲームが完成していなくても、配布形式へのエクスポートを早めに試しておくことは重要です。 完成後にエクスポートでトラブルが発生すると、スケジュールの遅れや焦りを引き起こしてしまうかもしれません。最悪、エクスポートが上手くできず投稿が間に合わない、なんてこともありえます。ここでは、先の作業を先にやっておく理由とメリットを解説します。

例えば、下記のような作業は、前倒しで先に行える作業です。

  • 配布形式へのエクスポートをまずしてみる
  • それを、別のパソコンで動かしてみる
  • もしitchなど、投稿場所に投稿するなら、試しに投稿して、遊べるか確認する。(投稿イベントによってできないことも)
  • 本番環境と同じだけ素材をのせて動かしてみる。良く処理落ちしたりします。
  • X(Twitter)で宣伝するつもりでアカウントが未開設なら、先に作って、ゲーム開発中と投稿しておく。
  • 本番の素材がなくても、仮の素材で実装してあるていど作ってしまう。
  • 配布時の、規約、説明文、サムネイルなどを先に仮に作っておく。(素材ができて作れるようになってからでもよい)

このように、作業を前段階でやれることは沢山あります。

先に小さく確認をしておくと、後半に、不測の事態が連発するという事故を防ぐことができます。

今回であれば、配布形式にエクスポートして、誰かに渡してみて、動くかどうか試してもらってください。まだ、何もできてないのに?と思うかもしれませんが、とても大事な確認です。Godotで配布形式にエクスポートして配布し、他者の環境で上手く動いた、という確認がとれているのは非常に心強いことです。

自分の環境だと動くのに、他者の環境では動かない、というのもよくあることです。Godotなどのゲームエンジンはそうした困難を少なくしてくれますが、絶対ではありません。

これはどういう方針かというと、 後半の工程のものも、先に小さく確認できるものは確認してしまいましょう 、というものです。そうすることで、安定したゲーム制作ができるようになります。

配布できる形式に出力しましょう

それではGodotの画面にうつって、前回の内容の物でやってみましょう。サンプルが必要という人は、こちらをクリックしてください。前回の内容のプロジェクトファイルです。

まずは、 プロジェクト > エクスポート... を押してエクスポートウィンドウを開きます。

エクスポートウィンドウを開く説明画像

最初は空っぽですね。Windowsデスクトップ用、Mac、その他、どういう方向に出力したいのか、設定をここで作っていくことができます。

まず、"追加..."ボタンを押して"Windows Desktop"をクリックします。

Windows用のプリセットを追加する説明画像

すると、プリセットの一覧に、"Windows Desktop (実行可能)"が表示され、選択され、その内容が右側に表示されているでしょう。

ここでやっておきたい基本は、ゲームアイコンの設定や、ゲーム名の設定でしょうか。アプリケーションの項目のしたにそれぞれ"アイコン"、"製品名"があり、設定できます。今回は、とばします。

Windows用のプリセットの設定項目について説明画像

さて、ここでプロジェクトエクスポートを押して進めると、エラーになります。下記のように『rceditという実行ファイルがないよ』エラーが出てしまいます。

エクスポートのエラーについて説明画像

というわけで、rceditをこちらのサイトからダウンロードしましょう。

こちらのページの、Releaseをクリックし、配布用のデータがまとまったページに進みます。

RceditのGithubのおおもとのページについて説明

そうして、パソコンが64bitに対応していれば"rcedit-x64.exe"を、そうでなければ"rcedit-x86.exe"をダウンロードしてください。

Rceditのダウンロードについて説明

これをダウンロードし、解凍したら、Godotのゲームエンジン付近の場所に置いておきましょう。

その後、 エディター > エディター設定... > エクスポート > Windows と辿っていくと、rcedit の内容が空欄になっていると思います。こちらを先ほどダウンロードし、解凍したファイルに紐づけてあげます。

Rcedit.exeの設定について説明

では、ここから プロジェクト > エクスポート と戻って、"Windows Desktop (実行可能)" のプリセットを選択した状態で、"プロジェクトのエクスポート..."を押します。

すると、出力先のフォルダを示す、ファイルを保存のウィンドウが開きます。

このまま保存してしまうと、Godotのプロジェクトファイルの中に、出力したデータがまぎれてややこしいので、プロジェクトフォルダからぬけて、"Build"フォルダを作って、その中で保存しましょう。"保存"ボタンを押します。

エクスポート場所と保存について説明

すると、"Build"フォルダに三つのファイルが生成されていたら完了です。

出力結果について説明

"sample_01.exe"が、実行ファイルで、こちらをクリックしたりして起動するとゲームが遊べます。

"sample_01.pck"は、ゲームの素材データなどが一塊にまとめられたファイルです。

"sample_01.console.exe"は、今は気にしなくていいので、この三つで一セットなんだな、と考えてください。

おわりに

これで、いつでもゲームを作って配布できる環境が整いました。

何かの拍子で、開発していると上手くエクスポートできなくなったり、開発環境では動くのに、本番環境では、違うパソコンでは変な動きになる、そんなこともあるので、たびたび、エクスポートして、実行してみることをお勧めします。

また、ゲーム制作・全般の話題として、ゲームの投稿先、アップロード先についても後ほど記載したいと思います。